フライフィッシャーの車
ドラ夫です。今のドラ夫の車は軽自動車。子供が産まれてからドラ夫のセダンは中古のミニバンになりました。ドラ夫の移動用はそれとは別に軽自動車がある。自分の車があるだけまだ恵まれているのです。
フライフィッシャーはSUVが好きでしょ?でもドラ夫はスポーツカーが好き。クーペよりはセダンがいい。
ドラ夫が若いときに買って結婚して子供が産まれるまで乗ってたセダンはレガシィB4 RSK。この車が好きだった。
見た目は普通のセダン。ボンネットのエアインテークを除けば。
ひとたびアクセルをぐっと踏み込めば、まぁ、普通のセダンとは違うことがよく分かる。
フライフィッシャーの悦楽
朝一、携帯の目覚ましが鳴る。
気合を入れて4:00起き。
今日は土曜日。
待ちに待った至極の時間を過ごすため。
夏の早朝は独特の匂いがする。
いつか嗅いだことのあるどことなく懐かしく、爽やかな匂いだ。いつもそう思う。
自宅の駐車スペースで車に乗り込む。
ドアを閉める音が気に入っている。気持ちが運転モードに切り替わる。
セルを回し、エンジンを掛ける。
ドドドド…
水平対向エンジン独特、排気干渉の音が心地よい。
一速に入れてクラッチを繋ぐ。
朝もやの中、まだ動き出さない街を抜ける。
やがて道は峠に差し掛かる。
少しくたびれたピレリを鳴らしながらペースを上げる。
通い慣れた峠道。遅い車をかわし、ワインディングを急ぐ。
必要以上にシフトチェンジを繰り返す。
加速したい時は、5速からスコンと3速に入れてアクセルを煽りクラッチを繋ぐ。
この瞬間がたまらない。
この車を買って良かったなと思える瞬間である。
少し早く川についたくらいで釣果に良い影響はないことぐらいわかってる。
急ぎたいのを口実に、この車の性能を愉しみたいだけである。
クルマは思いのままにコースをトレースする。
素性のいいハンドリングは、信頼のAWD性能の賜物。
スバルのオーナーだ、って胸を張って言える。
少々ゴムのこげる臭いをさせながら目的地の川土手に着く。
先程までの急いでいた空気と裏腹に、
ゆったりウエーダーを履き、
ロッドにラインを通す。
藪を漕ぎ、朝もやの川原に着き、リールをラインから引き出す。
ジジジ…。
ふと上流に目をやると、
そこにはもうロッドを弧の字にしならせた人影が。
なぁんだ、そんなもんだ。
今日も二番手だな。
でもいいや。
知らない人ではないし。
そう思いながらも距離を置き、
追い着き、追い越すことなく釣りあがる。